ピラティスとヨガの違いとは?目的別の選び方や起源、効果の違いを徹底解説
「ピラティスとヨガって似てるけど、何が違うの?」
「自分にはどっちが合ってるんだろう?」
このように気になっている方も多いのではないでしょうか。
どちらも心身に良い影響を与えるエクササイズですが、実はその目的や効果には明確な違いがあります。
この記事を読めば、ヨガとピラティスのそれぞれの特徴から、あなたに最適なエクササイズがどちらなのかが明確になり、自信を持って第一歩を踏み出せるようになります。
理想の心と体を目指すため、まずは両者の違いを正しく理解することから始めましょう。
【現在の主な活動】
世界15カ国、日本80店舗以上展開の CLUB PILATES JAPAN プレジデント。
CLUB PILATES 養成コース(Teacher Training)マスタートレーナーとして CLUB
PILATES のピラティスインストラクターを育成。
ピラティスのワークショップを多数開催。
【経歴】
大学を卒業後、インテリアデザイナーとして店舗などの設計に携わる。
妊娠・出産を機に仕事を離れ、子育てが落ち着いた頃、ピラティスに興味を持ちパーソナルトレーナーやピラティスインストラクターとして活動を開始。
現在は CLUB PILATES
のブランドプレジデントとしてインストラクターの育成や、事業の拡大に携わる。
目次
【結論】ピラティスとヨガ、結局どっちがいいの?
ピラティスもヨガも、心と身体の健康を促進する素晴らしいエクササイズです。
「どちらを選ぶべきか」は、あなたの「最も優先したい目的」によって決まります。
- 身体の機能改善やボディメイクを重視するなら → 「ピラティス」
- 精神的なリラックスや心身の調和を求めるなら → 「ヨガ」
が、あなたに合っている可能性が高いでしょう。
上記の違いをより深く理解するために、まずは「ピラティス」と「ヨガ」がそれぞれどのようなものなのか、基本的な部分から見ていきましょう。
そもそも「ピラティス」と「ヨガ」って何?
「ピラティス」と「ヨガ」は見た目が似ていても、その成り立ちや哲学は大きく異なります。
ピラティスとは

ピラティスは、身体の深層部にあるインナーマッスルを鍛え、骨格を正しい位置に整えることを目的としたエクササイズです。
もともとは、第一次世界大戦中にドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が、負傷した兵士のリハビリのために開発したのが始まりです。 そのため、解剖学に基づいており、身体に過度な負担をかけずに体幹を強化し、しなやかでバランスの取れた身体機能を取り戻すことに重点が置かれています。
ピラティスはしばしば「身体の再教育」と呼ばれます。これは、ただ筋肉を鍛えるのではなく、脳からの指令で身体の隅々まで意識的にコントロールする術を学ぶからです。日々の生活で無意識についてしまった身体の悪い癖をリセットし、あなた自身が本来持っている、最も楽で機能的な身体の状態を思い出させてくれます。
・猫背や反り腰などの姿勢を改善したい人
・体幹を鍛えて、しなやかで引き締まった身体を目指したい人
・運動不足を解消し、適度な運動習慣をつけたい人
・解剖学など論理的なアプローチが好きな人
・一つのことに集中して取り組むのが好きな人
最終的に一番大切なのは、あなたの心と身体が「これ、楽しい!」「心地いい!」と感じるかどうか。頭で考える知識よりも、実際に身体を動かした時の”ポジティブな感覚”こそが、あなたにとっての正解です。ぜひ一度、その感覚を確かめにいらしてください。
ヨガとは

ヨガはポーズ(アーサナ)と呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想を組み合わせて、心と身体そして魂を調和させることを目的とした、古代インド発祥の修行法です。
約4500年もの長い歴史を持ち、その究極的なゴールは精神的な安定や心の充足にあります。 ストレッチ効果の高いポーズで身体の柔軟性を高めながら、深い呼吸によって心を落ち着かせ、ストレスを解放していくのが特徴です。
また、ヨガの根底にあるのは「心と身体をつなぐ」という考え方です。ポーズをとる中で揺れ動く自分の心を見つめ、深い呼吸をすることで、身体の緊張だけでなく心の緊張も解きほぐしていきます。数多くの流派が存在しますが、そのどれもが心身のバランスを整え、内なる平穏を見つけることを目指している点は共通しています。
・日々のストレスを解消し、心からリラックスしたい人
・身体が硬いのを改善し、柔軟性を高めたい人
・自律神経の乱れによる不調(不眠、疲れやすさなど)を感じている人
・ゆっくりとした動きで、自分の内面と向き合いたい人
・運動や筋トレが苦手な人
ピラティスとヨガの5つの違い
ここでは、両者の具体的な違いを5つのポイントに絞って解説します。この違いを理解することが、あなたに合ったエクササイズを見つける鍵となります。
| 項目 | ピラティス | ヨガ |
|---|---|---|
| 起源 | 約100年前、ドイツ。 負傷兵のリハビリが目的 |
約4500年前、古代インド。 心身を統一するための修行法 |
| 目的 | 身体機能の改善、 体幹強化、姿勢矯正 |
心身の調和、 精神的安定、リラックス |
| 主な効果 | インナーマッスル強化、姿勢改善、 ボディラインの整え |
柔軟性向上、ストレス軽減、 自律神経の調整 |
| 呼吸法 | 胸式呼吸 (交感神経を優位にし、心身を活性化) |
腹式呼吸 (副交感神経を優位にし、心身をリラックス) |
| 動きの特徴 | 流れるように動き続ける。 体幹を常に意識 |
一つのポーズをキープする。 静と動の組み合わせ |
ピラティスは、まず体幹という『木の幹』を強く安定させることに集中します。幹がしっかりすれば、手足(枝葉)は自然としなやかに動くという考え方です。
一方、ヨガはその『枝葉』を心地よく伸ばし、心身を解放することに重きを置きます。まずは「幹」を育てたいか、「枝葉」をいたわりたいか、で考えてみると分かりやすいですよ。
起源
ピラティスの歴史が約100年であるのに対し、ヨガには約4500年もの歴史があります。
ピラティスは、前述の通りリハビリテーションをルーツに持つ、比較的近代的なエクササイズメソッドです。 一方、ヨガは古代インドの宗教的、精神的な修行が起源であり、心と魂の解放を目指す哲学的な背景を持っています。
目的
ピラティスが主に肉体的な側面に焦点を当てるのに対し、ヨガは精神的な側面をより重視します。
ピラティスの第一の目的は、インナーマッスルを鍛え、骨格を整えることで、強くしなやかな「身体」を作ることです。 対してヨガは、ポーズや呼吸法を通じて心をコントロールし、精神的な安定や調和を得ることが大きな目的です。
主な効果
身体のラインを整えたいならピラティス、心身ともにリラックスしたいならヨガが効果的です。
ピラティスは体幹を直接鍛えるため、ぽっこりお腹の解消や姿勢改善、しなやかな筋肉質なボディラインを作るのに向いています。 一方、ヨガは深い呼吸とともに筋肉をゆっくり伸ばすことで、柔軟性を高め、自律神経のバランスを整え、深いリラックス効果やストレス軽減に繋がります。
呼吸法
ピラティスは「胸式呼吸」、ヨガは「腹式呼吸」と、呼吸法に大きな違いがあります。
ピラティスで用いる胸式呼吸は、肋骨を広げるように息を吸うことで交感神経を優位にし、頭と体をすっきりと活性化させる効果があります。 これにより、エクササイズへの集中力を高めます。
例えるなら、胸式呼吸は身体を「アクティブモード」にするためのスイッチ。エクササイズ中に筋肉へ効率よく酸素を送り込み、パフォーマンスを高める目的があるんです。
一方、ヨガの腹式呼吸は、お腹を膨らませるように息を吸い、副交感神経を優位にすることで、心身を深いリラックス状態へと導きます。腹式呼吸は身体を「リラックスモード」に切り替えるスイッチです。心拍数を落ち着かせ、筋肉の緊張を緩めることで、ポーズを深めたり瞑想に入りやすくしたりする効果があります。
動きの特徴
ピラティスは常に流れの中で動き続けるのに対し、ヨガは一つのポーズを維持するのが特徴です。
ピラティスは、常にインナーマッスルを意識しながら、途切れることなく流れるような動作を続けます。 これにより、身体のコントロール能力を高めていきます。ヨガは、完成したポーズをしばらくの間キープすることで、筋肉の柔軟性を高め、自身の内面へと意識を集中させていきます。

ピラティスとヨガのメリット・デメリットを徹底比較
どちらのエクササイズにも、それぞれのメリットとデメリットがあります。あなたのライフスタイルや性格に合わせて、より継続しやすい方を選ぶ参考にしてください。
「効果を実感するまで継続が必要」と聞くと、少し気が重いかもしれませんね。ですが、レッスンでは「昨日より首が楽に動く」といった”小さな変化”をインストラクターと一緒に見つけていきます。その小さな喜びの積み重ねが、気づけば大きな自信と理想の身体に繋がっていますよ。
ピラティスのメリット・デメリット
・インナーマッスルを効率的に鍛えられる
・姿勢改善や身体の歪み矯正に高い効果が期待できる
・ボディラインが整い、見た目の変化を感じやすい
・リハビリ由来のため、怪我のリスクが比較的低い
・専用マシンを使う場合、スタジオに通う必要がある
・精神的なリラックス効果はヨガに比べて限定的
・効果を実感するまでにある程度の継続が必要
ピラティスの最大のメリットは、解剖学に基づいたアプローチで、誰でも再現性高く”目に見える変化”を目指せる点です。ピラティスは身体の「再教育」なので、自己流の癖をリセットし、インナーマッスルを正しく使う術を学びます。私がスタジオで見ていても、継続された方は確実に姿勢が美しくなり、ウエストラインが引き締まるなど、機能的な身体へと変わっていきます。
一方で、効果を実感するまでに「継続する時間」と「スタジオに通う手間」が必要になるというデメリットも知っておくべきでしょう。しかしその分、一度手に入れた正しい身体の使い方は、一生の財産になります。
ヨガのメリット・デメリット
・深いリラックス効果とストレス解消効果
・身体の柔軟性が向上する
・自律神経が整い、心身のバランスが改善される
・マット一枚あれば自宅でも手軽に始められる
・無理なポーズは怪我に繋がる可能性がある
・身体の引き締め効果はピラティスより緩やか
・精神的な側面に馴染めない人もいる
ヨガの最大のメリットは、マット一枚あれば、いつでもどこでも深いリラックス効果を得られることです。ヨガ特有のゆったりとした呼吸は、乱れがちな自律神経を整えるのに非常に効果的です。日々のストレスで心が疲れていると感じる方にとって、心身を優しく解放してくれる最高の手段となるでしょう。
一方で、その手軽さゆえに自己流で無理なポーズに挑戦し、身体を痛めてしまう可能性があるというデメリットも忘れてはいけません。また、ボディメイク効果はピラティスより緩やかなので、「とにかく身体を引き締めたい!」という目的が最優先の方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
ピラティスとヨガに関するよくある質問
ここでは、多くの方が抱く疑問について、専門家の視点からお答えします。
ピラティスとヨガは向き不向きがあるのって本当?
はい。あなたの「今の目的」によって、ピラティスとヨガにも向き不向きは明確にあると言えます。
もしあなたが、「猫背や反り腰といった姿勢を根本から改善したい」「体幹を鍛えて機能的で美しいボディラインを目指したい」と考えるならピラティスが向いているでしょう。解剖学に基づき、自分の身体を論理的にコントロールしながら変化を実感していくプロセスは、目に見える結果を求める方にぴったりです。
一方で、「日々のストレスから解放されて心からリラックスしたい」「自分の内面と静かに向き合う時間が欲しい」と感じているならヨガがおすすめです。ゆったりとした呼吸の中で心と身体の緊張を解きほぐし、柔軟性を取り戻していく時間は、心の平穏を求めるあなたに、かけがえのない癒やしをもたらしてくれるはずです。
ピラティスとヨガは併用してもいいの?
結論から言うと、ピラティスとヨガの併用は非常におすすめです。
両者は互いの弱点を補い合い、素晴らしい相乗効果を生み出します。
例えば、ピラティスで「身体の安定した土台(体幹)」を作り、ヨガで「しなやかな柔軟性と心の平穏」を手に入れる、といった組み合わせが可能です。 ピラティスで体幹を強化することで、ヨガのポーズがより安定し、効果を深めることができるでしょう。 逆に、ヨガで柔軟性を高めることで、ピラティスの動きがよりスムーズになります。
心と身体の両方からアプローチすることで、単体で行うよりも早く、そしてバランスの取れた理想の状態に近づくことができるでしょう。
自分に合った選択で、理想の心と体を手に入れよう
ピラティスとヨガ、それぞれの違いや特徴について解説してきました。
- インナーマッスルを鍛え、美しい姿勢と引き締まった身体を目指すなら「ピラティス」。
- ストレスを解放し、柔軟性を高めながら心身の調和を図るなら「ヨガ」。
どちらが優れているということではなく、あなたの「今の目的」にどちらがより合っているかが重要です。
この記事が、あなたの迷いを解消し、新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。「これだ!」と思えるものが見つかったら、まずは体験レッスンに参加してみることをお勧めします。実際に体を動してみることで、あなたに最適なエクササイズがきっと見つかるはずです。
クラブピラティスで美しい身体を目指してみませんか?
「身体のラインを整えたい」「姿勢を根本から改善したい」
もしあなたがそうお考えなら、クラブピラティスで本格的なマシンピラティスを始めてみませんか?
クラブピラティスは、世界で1,000店舗以上展開するマシンピラティス専門スタジオです。経験豊富なインストラクターが、一人ひとりの身体の状態に合わせて丁寧に指導するため、運動が苦手な方や初心者の方でも安心して始められます。
専用マシンが身体の動きをサポートしてくれるため、無理なく、かつ効率的にインナーマッスルを鍛えることが可能です。
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