ピラティスの呼吸法とは?胸式呼吸の正しいやり方と効果を解説

「ピラティスの呼吸法って、普通の呼吸と何が違うの?」
「胸式呼吸が大事って聞くけど、正しいやり方がわからない…」
ピラティスのレッスンで「呼吸を意識して」と言われても、具体的にどうすればいいのか迷う方は多いのではないでしょうか。呼吸法が間違ったままレッスンを続けると、本来得られるはずの効果を十分に引き出せません。
ピラティスでは「胸式呼吸」と呼ばれる、肋骨を広げながら鼻から吸い口から吐く呼吸法が基本です。この呼吸を正しく行うことで、インナーマッスルの強化や姿勢改善など、さまざまな効果が期待できます。
この記事では、胸式呼吸の基本から、正しいやり方の手順、得られる効果、効果を高めるコツまでわかりやすく解説します。

【現在の主な活動】
世界15カ国、日本80店舗以上展開の CLUB PILATES JAPAN プレジデント。
CLUB PILATES 養成コース(Teacher Training)マスタートレーナーとして CLUB PILATES のピラティスインストラクターを育成。
ピラティスのワークショップを多数開催。
【経歴】
大学を卒業後、インテリアデザイナーとして店舗などの設計に携わる。
妊娠・出産を機に仕事を離れ、子育てが落ち着いた頃、ピラティスに興味を持ちパーソナルトレーナーやピラティスインストラクターとして活動を開始。
現在は CLUB PILATES のブランドプレジデントとしてインストラクターの育成や、事業の拡大に携わる。
ピラティスの呼吸法「胸式呼吸」とは
胸式呼吸とは、お腹ではなく胸(肋骨まわり)を広げるようにして息を吸い込む呼吸法です。鼻から息を吸うときに肋骨を左右・後方に広げ、口から吐くときに肋骨を閉じていくイメージで行います。
- お腹を引き締めた状態をキープできる
腹式呼吸のようにお腹を膨らませないため、体幹を安定させたままエクササイズを続けられる - 交感神経が活性化する
身体を活動モードにする交感神経に働きかけ、集中力や運動パフォーマンスが高まる
胸式呼吸は、体幹の安定と集中力の向上を同時に叶える、ピラティスに最適な呼吸法といえます。
ヨガの腹式呼吸との違い
ピラティスの胸式呼吸とヨガの腹式呼吸は、目的も身体への作用も異なります。
腹式呼吸は横隔膜を大きく動かし、お腹を膨らませることで副交感神経を優位にし、リラックスを促します。一方、胸式呼吸は肋間筋や腹横筋を働かせ、体幹を安定させながら動くために用いられます。
| ピラティス(胸式呼吸) | ヨガ(腹式呼吸) | |
|---|---|---|
| 主な目的 | インナーマッスルの強化 | 心身のリラックス・精神の安定 |
| 呼吸時の動き | 肋骨を広げて胸に空気を入れる | 横隔膜を下げてお腹に空気を入れる |
| 鍛えられる部位 | 腹横筋・骨盤底筋などの深層筋 | 横隔膜を中心とした呼吸筋 |
| 期待できる効果 | 体幹安定・姿勢改善・運動効率向上 | ストレス軽減・リラクゼーション |
どちらが優れているというわけではなく、目的に合わせて使い分けることが大切です。身体を活発に動かすピラティスには胸式呼吸、心を落ち着けたいヨガには腹式呼吸がそれぞれ適しています。
胸式呼吸の正しいやり方
胸式呼吸は、正しい手順を踏めば初心者でも実践できます。以下の4ステップを順番に試してみましょう。
STEP1:骨盤を立てて姿勢を整える
まず、あぐらやキャリッジにまたがった状態で骨盤を立てます。
骨盤が前後に傾かず、左右の腰骨が床と水平になる位置が目安です。頭頂部を天井に向かって引き上げるイメージで背筋を伸ばし、肩の力を抜きましょう。姿勢が崩れていると肋骨が十分に広がらず、深い呼吸ができません。
STEP2:肋骨を広げるように鼻から吸う
お腹に力を入れたまま、鼻からゆっくり息を吸います。
このとき、お腹を膨らませるのではなく、肋骨が左右に開くように意識するのがポイントです。胸の中に風船があり、それを横に膨らませるようなイメージを持つとわかりやすいでしょう。
STEP3:お腹を締めたまま口から細く吐ききる
遠くのロウソクの火を吹き消すようなイメージで、口から細く長く息を吐いていきます。
吐くときは、広げた肋骨を斜め下に閉じていく感覚を意識しましょう。最後まで吐ききることで、お腹が薄くペタンとした状態になるのが理想です。
息を吐いている間もお腹の力はゆるめず、おへそを背骨に近づけるように引き締めた状態をキープしましょう。
STEP4:動きに合わせて吸う・吐くのタイミングを覚える
基本のリズムは、身体を曲げるときに吐き、反らす・伸ばすときに吸うです。
たとえばロールアップでは、背骨を丸めながら息を吐き、起き上がって背筋を伸ばすタイミングで吸います。最初は呼吸だけに集中し、慣れてきたらエクササイズの動きと合わせるように練習してみてください。
胸式呼吸に期待できる効果
胸式呼吸を正しく行うと、ピラティスの効果が高まるだけでなく、日常生活にも良い変化をもたらします。ここでは、胸式呼吸に期待できる効果を紹介します。
インナーマッスルが鍛えられる
胸式呼吸では、お腹を引き締めた状態で呼吸を繰り返すため、腹横筋や骨盤底筋といった深層筋に継続的に刺激を与えられます。
腹横筋はお腹をコルセットのように包み込む筋肉で、骨盤底筋は内臓を下から支える役割を持っています。これらは通常の腹筋運動では鍛えにくい筋肉ですが、胸式呼吸を行うだけでも自然とアプローチできるのが大きなメリットです。
心肺機能と代謝の向上が期待できる
胸式呼吸で肋骨を大きく広げることで、肺をしっかりと使った深い呼吸が行いやすくなります。
深く呼吸をすることで、筋肉に十分な酸素が届きます。酸素が足りている状態では筋肉がスムーズに働くため、同じ動きでも疲れにくくなります。
- 酸素が入る
- 筋肉が動きやすい
- 疲れにくくなる
というシンプルな仕組みです。
その結果、エクササイズを安定して続けやすくなり、運動の質も高まりやすくなります。
血流が促進される
胸式呼吸では胸まわりの筋肉が大きく動くため、上半身を中心に血流が促進されます。
深い呼吸は胸の中の圧力を変化させ、血液の流れをサポートします。とくに長く吐く動作は、全身の巡りを整える働きがあります。
血流が改善することで、以下のような効果が期待できます。
- 肩こりの軽減
- 冷えの改善
- むくみの緩和
また、老廃物の排出もスムーズになるため、疲れにくい体づくりにも役立つでしょう。
集中力が高まる
胸式呼吸は交感神経を優位にするため、脳が覚醒モードに切り替わりやすくなります。
頭がスッキリした状態でエクササイズに取り組めるだけでなく、レッスン後に仕事や勉強へ向かう際のパフォーマンスにも好影響が期待できます。朝の時間帯にピラティスを行えば、一日をアクティブにスタートするスイッチにもなるでしょう。
体幹が安定し姿勢が改善する
呼吸のたびに腹横筋や横隔膜が連動して動くことで、体幹の安定性が高まります。
体幹が安定すると、背骨や骨盤が正しいポジションに保たれやすくなり、猫背や反り腰の改善につながります。デスクワーク中の姿勢崩れが気になる方にとっても、日常的に効果が実感しやすいでしょう。
呼吸の効果を高めるためのポイント
胸式呼吸のやり方を覚えたら、次は「どれだけ質を高められるか」が大切です。
少しの工夫で、呼吸の深さもエクササイズの効き方も変わります。
エクササイズ前に肋間筋や横隔膜まわりをほぐす
肋骨まわりの筋肉が硬いと、十分に胸郭を広げられず浅い呼吸になりがちです。呼吸が入りにくい状態では、どれだけ意識しても深く吸うことはできません。
エクササイズを始める前に、以下のようなストレッチを取り入れましょう。
- 両腕を頭上に伸ばしてゆっくり側屈する
- 肋骨の間を指で軽くほぐす
- 肩甲骨を大きく回す
1〜2分ほぐすだけでも肋骨の動きが良くなり、呼吸の深さが変わります。
肋骨に手を当てて動きを意識しながら練習する
胸式呼吸は、感覚がつかみにくい呼吸法です。両手を肋骨の横に添えて呼吸すると、吸ったときの広がりや吐いたときの閉じる動きが分かりやすくなります。
- 吸うときに肩が上がっていないか
- 肋骨が左右に広がっているか
肩が動きやすい方は、腕を胸の前でクロスさせると肋骨の動きに集中しやすくなります。
呼吸を止めずに動き続けることを優先する
初心者の方は、動きに集中するあまり無意識に息を止めてしまうことがよくあります。
呼吸が止まると筋肉が過度に緊張し、ピラティス本来の効果が得られにくくなります。吸うタイミングと吐くタイミングが完璧でなくても問題ありません。まずは「呼吸を止めないこと」を最優先にして、慣れてから細かいタイミングを調整していきましょう。
まとめ
ピラティスの呼吸法は、エクササイズの効果を左右する大切な基本です。胸式呼吸を理解し、正しい手順で練習を重ねることで、身体の変化をより実感しやすくなるでしょう。
- ピラティスの呼吸法は、肋骨を広げて行う「胸式呼吸」が基本
- 正しいやり方は、姿勢を整える→鼻から吸う→口から吐く→動きと連動させるの4ステップ
- インナーマッスル強化・代謝向上・血流促進・集中力アップ・姿勢改善などの効果が期待できる
- 効果を高めるには、事前のほぐし・手で肋骨の動きを確認・息を止めない意識が大切
とはいえ、呼吸法を独学で完璧に身につけるのは簡単ではありません。プロのインストラクターに直接指導を受けることで、自分では気づけないクセを修正でき、上達のスピードも格段に変わります。
CLUB PILATES(クラブピラティス)のレッスンでは呼吸法の基礎から丁寧に指導してもらえるため、初めてピラティスに挑戦する方でも安心です。
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